不都合な「真実」
アパートを所有している、お得様からの依頼。 キッチンを交換して欲しい。
とりあえず、指定されたアパートに大家さんと待ち合わせして現場調査に行きました。 かなり、古い物件です。
大家さんが鍵を開けて、私が中に入ろうとしたら、 「あっ、手を合わせてから入ってください。」と。 「へ?」 「いや、大した事じゃないんですけど。」 「以前、住んでた老人が孤独死して1ヵ月ほど放置されてただけですから。。。。」 サラッと言います。
「そろそろ、貸しに出そうと思って」 サラサラッと言います。
雨戸の閉まった部屋の中は薄暗く、何とも言えない雰囲気があります。 奥の和室の畳にはドス黒い跡が。
バラキッチンがだいぶ古くなっていたので、交換することで話がまとまりました。 商品が用意できて、交換に伺ったときは、壁、畳、襖がリフォームされていて見違えるようでした。 そこに、新しいキッチンです。
「なかなか、いい部屋じゃないか。フムフム。」 しかし、あまりいい感じはしません。
考えてみれば、家の中で人が自然死することは特別なことじゃないんですけどね。 後日、大家さんから連絡があり入居が決まって、物干し竿を掛ける金具をつけてもらいたいとの依頼がありました。 例の部屋にお邪魔すると、若い新婚?同棲?カップルが明るい雰囲気で住んでおりました。
作業中、喉まで出かかった「真実」を必死に抑えるのに苦労した次第です。 世の中、知らないほうがシアワセってこともありますからね。 さて、気になるこの物件の場所は。。。。。。? 「アナタが今住んでるアパートかも知れない……………………………..。」
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